Verba et scripta

読書、ディベート、その他備忘録

【スクラップメモ】石川啄木『一握の砂』と新古今集より

不来方

お城の草に寝ころびて

空に吸はれし十五の心                   石川啄木

 

さびしさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮れ   寂蓮

 

心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ    西行

 

見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ     藤原定家

ふと心に残った四首。

 

 

【スクラップメモ】徒然草第八十五段

人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。されども、おのづから正直の人、などかなからん。おのれすなほならねど、人の賢を見てうらやむは尋常なり。至りて愚かなる人は、たまたまた賢なる人を見て、是を憎む。「大きなる利を得んがために、少しきの利を受けず、偽りかざりて名を立てんとす」とそしる。おのれが心に違へるによりて、この嘲りをなすにて知りぬ、この人は下愚の性移るべからず、偽りて小利をも辞すべからず、かりにも賢を学ぶべからず。狂人の真似とて大路を走らば、則ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。驥を学ぶは驥のたぐひ、舜を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを賢といふべし。

狂人の真似とて大路を走らば、則ち狂人なり。」面白い。